2010年8月3日火曜日

しずかちゃんと。


 RishkeshのSivananda Ashram に2日の遅れをもって到着したのは早朝で、受付事務所には、ちょうど、学校に行く前の子供たちがワラワラと群がっていました。なんで遅れたかというと、インド人も呆れるポカをしたもんで、やっとの思いで予約した2泊3日の長距離列車に乗り遅れたから。

 「遅れてすみません」・・・と、鞄から滞在許可証を出していると、子供らが「Miss, What is your name?」と聞いてくる。ユミコだよ、と答えたら、「Yumiko?」、「Japani ?」、ザワザワザワザワ~!唐突に盛り上がって、「Kochikame!? Do you know Kochikame ?」とたたみかけてくるじゃありませんか。

フッ、あんたら、姉さんをなめたらあかんぜよ。「こち亀」、小学生の時からめっちゃ読んでます! 「両津?」 Yeah! 「中川!」 Yeah! 「麗子~!」 Yeah! 「ドラえもんはどうだ?」 Yeese! 「のび太~、しずかちゃ~ん!」 Waaaa! 子供らと私にしか解からない謎の盛り上がりに、受付のスワミも首をひねる。


 あれから2年。

 憧れのしずかちゃんが、私の前に現れた。

 今、朗読劇団みどり組の声優さん達と一緒に、毎週ヨガをしています。過去最高に「お返事」の良いクラスなのは、「しずかちゃん」こと野村道子先生のご指導の賜物であることは間違いないでしょう。

 しずかちゃん。ガキどもに会わせてあげたい・・・というか、自慢したい。「ほれほれ~、私、今しずかちゃんと一緒よ」って。それだけで、彼らは元気に大喜びしてくれるでしょう。 日本の良きアニメは、世界中の子供達をこんなにも笑顔にしてる。私も、「ドラえもん」が見れる金曜夜7時を、毎週楽しみに待っていた子供だったんだもの。

 
 「りょーつー!ドラえもーん!」と叫んで笑う嬉しそうな顔は、真夏にパーっと咲いた屈託のない花みたいでした。人間、大きくなると、想像をはるかに超える辛いことが沢山ある。子供時代から既に辛い境遇の子もいるでしょう。だけど、幼い頃にたった一度でも、あの真夏の花の様に無心に笑えた体験があるのなら、きっと大丈夫なんじゃないかって思うんですね。 その、ささやかなひと時の記憶が、後に自らを救う大きな勇気になるんだと・・・。逆にいえば、子供から、そういった幸せな体験を奪うことは、大人として絶対に許されない、ということです。

「大切なのは、ほんの小さな希望です。」

・・・というのは、私が前にいたa little hope というバンドのド頭のMCの枕言葉。声優さん達は、風がタンポポの種を飛ばすみたいにそっと、世界に希望をばらまいてるのかも知れないね。



 みどり組のヨガに、もしかしたら、一般の方も参加出来るようになるかも知れません。その時はみんなにもお知らせしますね。ヨガの為のヨガではなく、満ち足りて日々を暮らすためのヨガです。ほんの小さな希望を、確かなものにするために。