2017年8月27日日曜日

共感するお言葉シリーズ ①



今や、田中泯さんという舞踏家をご存知の方は、沢山いらっしゃるのではないでしょうか。

泯さんがお弟子さん達と共に活動する場所(身体気象農場といいました)に、親友が昔入門していまして、蚊取り線香届けついでに、私も少しの間、滞在してお手伝いさせていただいたことがあります。その時に描いた公演の看板が「私は土から生まれた」という演目だったので年表調べてみたら、1996年のことだということが、判明。20世紀だったか・・・。

その田中泯さんが、阿川佐和子さんとテレビで対談していたので、すかさずネットでチェックしましたよ。あれ、泯さんて、こんな方だったっけ?この熟味というか、まろみというか、うーん、20年の月日が経ったんだなあ。


面白い30分でした。いろいろとツボなお言葉あったのだけれども、

「それは喜びですか、悲しみですか?」という問いに対する返答に共感。

「どっちとも言えないですね。僕は、あんまり、歓びとか悲しみとか怒りとか何とかとか、言葉のレベルをビシッと決めたくないんです。嬉しいことと悲しいことの間には、ず~っと、あるじゃないですか。」


いやー、まさに今年、私はこのことを思っていた。

泯さんは、あまりトークが得意なタイプではないんだろうな、という感じがするんだけど、でも、やけにシミジミと伝わりました。

グラデーションなんだよね。

それでさ、子供の時って感情に名前つけなかった。
こういうグラデーション全体の中で生きてたな・・・・って。

カテゴライズを覚えて、やがてカテゴライズ無しに生きるのが不安になるのは、一体ぜんたい何歳からなんだろうね。

「例えば文字文化を持たない人達の踊りはすごい。文字を持ってからの踊りって、どこかで文字の翻訳みたいになっていく。」というようなことを仰っているんだけど、ほんとにそうだよね。

言葉は、考えを整理する為の素晴らしい道具であると同時に、本来無限であるはずの世界を制限する枷にもなるんだ。

花に、星に、思いに、名前を付けるってことは、そういうことだ。

ミイラ取りがミイラ。捉われるよね。



それからカッコよかったのがお金の話。


ダンスビジネスに関係するパフォーマンスは全体の一割みたいな話の時。

阿「でも生活はありますでしょ?」

「死ぬわけじゃないから~(笑)。正直言って金より俺のが偉いです。」

スタッフから笑い声

阿「失礼しました(笑)。」

いや、まじでそうでしょ。

私も思ってるさ。金より私のが偉いです。


聞き手の阿川佐和子も、うまいね。


・・・てことで、共感シリーズ②に続く。

またね